照明のチューニングポイント〔其の7〕
東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡
証明のチューニングポイント(7)
照明制御システム(3)
7、スケジュール制御
照明制御システムで最も活用しているのはスケジュール制御だろう。
タイマーで点灯させた方がよい照明は、壁スイッチから削除して、スイッチで自由に点灯できないようにすればよい。早朝の清掃時間では点灯させる必要のない照明であっても、人任せにしたのでは点灯してしまうものだが、点灯させるスイッチがなければ無駄な点灯を防止できる。
蛍光管は点灯するたびに約1時間寿命が短くなるので、あまり頻繁にON・OFFしない方がよい。この点に関しては点灯回数が寿命に影響しない LEDランプのほうが優れている。
8、開館前
写真-9は総合図書館開館前の準備中の照明点灯状態である。一度ONにした壁スイッチはOFFにしないことが多いので、人がいなくても照明は点灯したままになってしまう。そこで写真-9のように清掃や本の整理時には必要のない照明は点灯できないように壁スイッチから削除している。
9、開館
写真-10は開館5分前の写真である。写真-9では消灯していた間接灯、吹き抜け天井灯、ブラケット等の照明が点灯している。これらは全てスケジュール制御で点灯しており、閉館5分後には同様にスケジュール制御で消灯させている。
このスケジュール制御の照明電力だけで60kWにもなるので、スケジュール制御でON・OFFしなかった場合と比較して、年間で50,000kWh以上の節電になっている。
写真-10 開館中
10、外灯
照明制御システムのないビルであっても、外灯はタイマーや自動点滅器で制御されているビルが多いだろう。外が明るいのに点灯している外灯ほど無駄なものはない。朝夕、明るいのにも関わらず点灯している外灯を見かけることも多いが、タイマーならば時間の設定が、自動点滅器ならば感度調整が適切にできていないからだろう。
点灯・消灯時間をタイマーで手動設定するには最低でも半月に1回は設定時間の変更が必要だ。
外灯の点灯状態を見ればそのビルの省エネレベルも分かるというものである。ビル内と違って外灯は通行人など誰が見ても分かるので注意したい。
11、自動点滅器
自動点滅器であれば時間に関係なく明るさで外灯をON・OFFするので便利である。タイマー制御がないのであれば検討したい。マンションの通路や階段の照明にはよく利用されているが、これも感度調整が必要である。適切に調整しないと明るいのに点灯していることになるので、明るさと点灯状況の様子をみながら無駄な点灯がないように調整していきたい。制御のない通路や階段灯などは誰かが消さなければいつまでも点灯したままだが、壁スイッチは配線を直結にして取り外し、外灯の電源がある配電盤の近くに自動点滅器を取付けて自動でON・OFFできるようにすればよい。