熱源機械室のチューニング〔其の1〕
東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡
熱源機械室のチューニング(1)
空調や給湯で使用する冷凍機、冷温水発生器、ボイラーなどの熱源があるビルでは、これらの設備は熱源機械室に設置されているだろう。この熱源機械室には熱源設備以外にもポンプなど数多くの設備があり、ビルの場合はエネルギー使用量が最も多い場所になっているはずだ。それだけに省エネチューニングの余地も多く残されており、短期間で成果を出すには最適な場所である。
1. 熱源廻り基本図
熱源廻り基本図を使って冷房時のチューニング方法を説明するが、チューニングが必要な設備毎に番号を付けているので、まずは番号順に設備の説明をしたい。チューニングの順序もこの番号順となる。
① 二次ポンプ吐出弁
② 二次ポンプ
③ 二次ポンプ台数制御
④ インバーター
⑤ 往還ヘッダバイパス弁
⑥ 往還ヘッダ
⑦ 熱源
⑧ 空調機
⑨ 空調機二方弁
④はインバーター設備が無い場合は省略可。
⑥往還ヘッダはヘッダ差圧のチューニングであり、差圧による流量チューニングのためである。
⑦の熱源はビルによっては熱源の種類も違い、ヘッダや一次ポンプもあるはずなので、これらを含んだものとする。冷房時のチューニングに必要なのは冷水出口温度である。
⑧は空調機そのものではなく室内温度である。
2、チューニングフローチャート
熱源廻り基本図とチューニングフローチャートの①~⑨の各番号は同一項目である。両方を見比べながら冷水温度と流量、そして搬送動力が最も効率が良くなるように省エネチューニングしていけばよい。
項目毎に詳しいチューニング方法を説明する。