公益社団法人 福岡県ビルメンテナンス協会
副会長 古賀 修
4 作業計画と点検評価の必要性
作業計画を作成するための基礎として、下記の「作業手順書(例)」がある。これは、作業遂行上での手引きともなるもので基本的な流れを表す。受託責任者は作業手順書に記載された内容を理解し、作業を正しく、ひとつの作業工程ごとに確実に行うことを確認し、指導しなければならない。
特に従事者全員が、この手順書を理解し、環境衛生上に関する一貫した認識を持つことが大切であり、そのためには医療スタッフにも合理的で正しい作業手順を示した説明を行い、理解を求めていくことが重要である。
つまり、従事者全員のレベルを標準化することにより、一定の作業品質を維持することができる。従って、作業手順書は作業マニュアル(作業指導書)と同様のものと考えられる。
また、作業評価の決定には、作業の改善や品質管理、効率化などを含めた「清潔度」の評価基準が必要不可欠である。清潔度を点数化することにより、「汚れ」の程度が明確になるばかりか従事者に対する適切な指導や作業改善について具体的な指示ができる。従って、一定の作業評価方法を定め、計画的にしかも継続的に点検評価を実施することにより、衛生的な院内環境の形成に寄与できるものと考えられる。ただし、官能評価が基本であるので、評価能力を向上させ、できるだけ普遍的なものにしていくためにも更なる対応が要求される。