投稿者「福岡ビルメンテナンス協会」のアーカイブ

都市ビル環境の日 第5回子ども絵画コンクール

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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ビルの省エネ指南書(27)

空調機のチューニングポイント〔其の9〕

東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡

不快指数冷房(4

12、不快指数とエンタルピ 

不快指数を75以上に維持するだけでは快適性と省エネが両立できることにはならない。

ならば不快指数75以上にするには何℃、何%がよいのだろうか。ここが不快指数冷房の最も重要ポイントである。そのためにはエンタルピも同時に考える必要があるからだ。

6月号の表-3を見れば不快指数が同じ75でもエンタルピが全て違うことが分かるだろう。

28.0℃45%の場合が55.26 kJ/㎏で、26.5℃60%の場合が59.84 kJ/㎏となっている。

冷房はエンタルピを下げるものだと考えれば、エンタルピが59.84 kJ/㎏と高くなっている26.5℃60%の方が、不快指数は同じ75なのだから、エネルギーを使わずに冷房が出来ているといえるだろう。

13、表―16月号)のグラフ化

不快指数とエンタルピの関係は6月号の表-1をグラフ化することで分かりやすくなる。

 

グラフ-1 不快指数とエンタルピ

グラフ-1の実線が不快指数で破線がエンタルピを表している。

表―1よりも範囲が広くなって、温度は下に24℃まで、湿度は右に70%までひろがっている。

ここまで範囲を広げると不快指数とエンタルピの関係が分かりやすくなるだろう。

このグラフは28℃、45%、不快指数75、エンタルピ55.26 kJ/㎏を基準としたグラフである。

表-1と対比しながら見て欲しい。

14、グラフ―1の説明

実線上はどの位置でも不快指数75であり、破線上はエンタルピ55.26 kJ/㎏である。

不快指数75を基準とすれば、この実線よりも右上の範囲は不快指数が75より上となるので不快となり、左下の範囲は不快指数が75より下となるので快適となる。

エンタルピ55.26 kJ/㎏を基準とすれば、この破線よりも右上の範囲はエンタルピ55.26 kJ/㎏より上となるので省エネとなり、左下の範囲はエンタルピ55.26 kJ/㎏より下となるので増エネとなる。

エンタルピを基準とした省エネと増エネの関係を間違わないように気を付けたい。室内温度を高くして省エネを行うという考え方と同じように、室内のエンタルピを高く保ったほうが省エネになるのだ。

ここで、グラフ-1の実線と破線で挟まれている範囲を考えて欲しい。快適になる範囲と省エネになる範囲が重なっていることが分かる。

この範囲内ならば28℃45%で冷房するよりも快適性と省エネが両立できるのだ。

15、快適性と省エネ

表-1によればエンタルピ的には28℃45%も25℃60%も大差のないエンタルピであるが不快指数は75.0と72.8で快適性が大きく違ってくるので、同じ冷熱量で快適性を求めるならばこの方が得である。 

不快指数的には28℃45%も26.5℃60%も大差のない不快指数であるがエンタルピは55.26 kJ/㎏と59.84 kJ/㎏で省エネ性が大きく違ってくるので、同じ快適性を維持しながら省エネを求めるならばこの方が得である。

これはあくまでも28℃45%を基準とした比較であるが、温度・湿度が違っても、そのポイントを基準とすれば考え方は同じだ。

ビルの省エネ指南書(26)

空調機のチューニングポイント〔其の8〕

東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡

不快指数冷房(3

9、暖房時の不快指数
 この不快指数は冷房時に限ったものではなく、暖房時においても同様である。
 普通は加湿をして室内湿度を40%に保っていても、雨が降っている日は室内湿度が40%以上になることもある。このような日は暖かいと感じたことがあるのではないだろうか。これは室内のエンタルピが上がっているからであり、不快指数も上がっているからである。しかし暖房時は室温が低いので不快指数が上がっても不快になる訳ではなく、乾燥状態のビル内湿度が適度に上がるので快適になるだろう。冷房の不快指数が、暖房では温度を上下逆にした不快指数となってしまうのだ。
 冬季の雨天時は外気導入量を増やして外気湿度を暖房に利用することも省エネ対策として考えてみたい。
 冬期は外気温度が低いので、外気負荷を減らすために、外気導入量を減らしているビルも多い。湿度が低いために室内でわざわざ加湿をおこなって、加湿が暖房負荷となっていることもあるだろう。このような場合は外気をエンタルピとして考えてみればよい。雨の日ならば湿度の高い外気を導入するほうが省エネになることもある。外気の温度が低くても湿度が高ければエンタルピとしては高くなるので、温度の低い空気で外気暖房をするということもあり得るのだ。
 冬期だから外気を入れないのではなく、エンタルピを考えながら、導入量のチューニングを考えるべきであろう。

10、不快指数75以上
 
不快指数は温度と湿度で決まるものであるが、温度と湿度で不快指数が決まるものではない。
 同様にエンタルピも温度と湿度で決まるものであるが、温度と湿度でエンタルピが決まるものではない。
 それでは冷房時の不快指数はどのくらいがよいのかを表-1【温度・湿度・不快指数・エンタルピ】を見ながら考えてみたい。
 一般的には不快指数75を超えると不快に感じる人が多くなるので、不快指数75がビルの空調としては丁度良い目安になるだろう。目標としては75以上、できれば76を推奨したい。
 温度が28℃の時に不快数が75となるには、湿度がいくらになればよいのかを計算していただきたい。
湿度が45%になるだろう。

75=0.81×28+0.01×45(0.99×28-14.3)+46.3

計算が複雑だがこのようになる。

湿度に45を入れれば式が成り立つのだ。

表-1でも確認ができる。

11、不快指数の維持
 
それでは不快指数75は温度が28℃で湿度が45%の時だけなのかというと、それだけではない。不快指数の計算式を見ても分かるように、不快指数の計算には温度と湿度が必要なのだが、不快指数では温度と湿度は計算できないのだ。
 表-1を見ても同じ不快指数が何箇所もあることでそれが分かるだろう。
 表-3にもあるように温度が27.5℃で湿度が50%でも不快指数は75であり、温度が27.0℃で湿度が55%でも不快指数は75なのだ。
 湿度45%で不快指数を70にする時の温度も参考までに計算してみると、24℃となる。
 同じ湿度で不快指数を75から70にすると、温度が28℃から4℃も下がってしまう。
 不快指数1が温度0.8℃に相当するので、不快指数75~76は温度0.8℃以内を維持しなければならないのでかなり難しい。
 外気湿度も毎日違うだけではなく、夕立でもあれば急激に外気湿度が変化するからだ。
 厳密に不快指数を設定しても維持することが難しいのならば、最低でも75にするというくらいでよいだろう。76を中心として75~77の範囲ならば維持もできるだろう。

適切な石綿含有建築物の解体工事方法の講演会

石綿含有建材が使用された建築物の解体工事は、今後も増加を続け、そのピークは平成40年頃とされています。本事業では、解体事業等に従事する労働者の方や近隣住民の方々の石綿ばく露防止対策の更なる充実を図るため、平成26年3月31日公布同6月1日施行の改正『石綿障害予防規則』、改正『建築物等の解体等の作業及び労働者が石綿等にばく露するおそれがある建築物等における業務での労働者の石綿ばく露防止に関する技術上の指針』に基づいた解体事業に関する講演会が開催されます。

1.日時   平成26年7月9日(水)
        13:00 ~ 16:00

2.会場   福岡センタービル会議室
        (福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目2番1号 福岡センタービル10F)

・チラシはこちら→

 

防火管理及び防災管理業務の受託を業とする法人等の教育担当者に対する講習

防火管理及び防災管理業務の受託を業とする法人等の教育担当者に対する講習の実施

1.日時     平成24年10月25日(木)~26日(金) 

          9:30~17:00(9:00から受付開始)

2.場所     福岡市民防災センター  3階 講習室

          (福岡市早良区百道浜一丁目3番3号   TEL.092-847-5990)

3.受講費用  9,000円

4.申込期限  平成24年10月12日(金)  *当日消印有効

●講習会案内はこちら→

●受講申込書はこちら→

都市ビル環境の日 第5回子ども絵画コンクール作品募集

公益社団法人福岡県ビルメンテナンス協会では、1995年から毎年10月4日を「都市ビル環境の日」と定め、環境問題の改善や都市の美化活動に積極的に取り組んでいます。当協会では、これらの活動を一般のもっと多くの方々に理解していただきたく、今回で5回目となる「子ども絵画コンクール」を実施いたします。このコンクールが、次の世代を担う子どもたちの「環境」や「モノ」に対する思いやりの心を育む契機となることを願っています。

◎募集テーマ 「きれいにしよう、わたしたちの環境を!!」

・応募資格  福岡県内の小学生

・募集期間  平成24年8月1日(水)~9月14日(金)  *当日消印有効

●応募申込書(チラシ)はこちら→

今夏の電力需給対策に係る特定建築物の維持管理について

平成24年5月18日に、「電力需給に関する検討会合・エネルギー・環境会議合同会議」が開催され、今夏、原子力発電所の再起動がない場合であっても、我が国の経済社会や国民生活への影響を最小限に抑え、ピーク電力不足や電力コスト上昇を回避する対策として、「今夏の電力需給対策について」がとりまとめられました。

<参考> 今夏の電力需給対策について(経済産業省HP)

http://www.meti.go.jp/earthquake/electricity_supply/0325_electricity_supply.html

九州PPPセンター設置のお知らせ、並びに「PPP実践講座」のご案内

*九州PPPセンターの設置について

 ㈱産学連携機構九州は、官民共同事業(PPP)を推進するための専門機関となる九州PPPセンターを、平成24年10月に新たな事業部門として設置します。

 

●案内(プレス資料)はこちら→

●PPP実践講座のご案内はこちら→

ビルの省エネ指南書(25)

空調機のチューニングポイント〔其の7〕

東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡

不快指数冷房(2

5、表-1【温度・湿度・不快指数・エンタルピ】 

表-1【温度・湿度・不快指数・エンタルピ】は縦軸が温度で28℃から25℃まで0.1℃毎に、横軸が湿度で45%から60%まで1%毎の表である。

実際の空調では大体この範囲で納まるはずである。

各温度と湿度の交点は、上段が不快指数で下段がエンタルピである。

例えば28.0℃・45%の場合は不快指数が75でエンタルピが55.26kJ/㎏になる。

6、温度と湿度 

冷房では温度を設定するだけの温度制御が一般的であり、ビルの空調機でも家庭のエアコンでも同様である。これで温度は維持できるかもしれないが、湿度はどうであろうか。外気の湿度は常に変化しており、雨が降れば外気湿度が100%になってもおかしくはない。一方で外気が乾燥している日もある。これだけ外気湿度が変化すれば、換気のために外気を導入している室内の湿度が変化しないはずはない。つまり室内温度が一定であっても、室内湿度は常に変化していることになる。

室内温度が28℃だったとして、室内湿度が変化すれば室内空気環境はどう変わるのだろうか。

表-1の数値により作成したのが表-2である。

温度℃ 湿度% 不快指数 エンタルピkJ/㎏(DA)
28.0 45 75.0 55.26
28.0 50 75.7 58.33
28.0 55 76.4 61.42
28.0 60 77.0 64.51

表-2 温度28℃の場合

7、温度と不快指数 

表-2によれば温度が28℃で一定であっても、湿度が変われば不快指数が変わることが分かるだろう。これではいくら温度を一定に保っても、不快指数をみれば分かるように、体感温度が常に変わっていることになる。

なぜ不快指数が変わるのかといえば、空気のエンタルピが変わるからである。

エンタルピは温度だけではなく湿度によっても変わるために、いくら温度だけを28℃に保っても不快指数が一定にはならないのだ。

ビル内の方達は不快指数が常時変化している室内で働いていることになるのだが、温度が一定ならば不快指数まで気が付くこともなく、「今日は暑いな」と思うことがあっても我慢をするだけだろう。

8、エンタルピ〔kJ/㎏(DA)〕 

表-2にはエンタルピも記載している。

温度と湿度により不快指数を計算することはすでに説明したが、このエンタルピも温度と湿度により計算して得られる。

同じように計算するものであっても、計算的には不快指数とエンタルピは全く関係のないものであって、不快指数とエンタルピが一致していないことに注目したい。

表-3は不快指数を75とした場合の表である。 

26.5℃の場合は近似値としている。

温度℃ 湿度% 不快指数 エンタルピkJ/㎏(DA)
28.0 45 75.0 55.26
27.5 50 75.0 56.94
27.0 55 75.0 58.46
26.5 60 74.9 59.84

表-3 不快指数75の場合

不快指数が同じであってもエンタルピは同じではないことが分かるだろう。

この不快指数とエンタルピの違いを利用するのが不快指数冷房のポイントである。

H24.6月号ビルメンFUKUOKA(2)